制作メモ(2024.03)
朴愛里

長い間、絵を描けなかった時期があった。この家の空気が悪く、私はその空気に耐えられなかった。その時も日差しはあり、人々は通り過ぎた。冬には帰省中に映画を見たり、桜の咲く新宿で結婚を控えた友人に会ったりもした。しかし、まともな制作ができなかった。
描きたかったものは、居場所を見つけられず、ほとんど虚空に散らばってしまった。少なくとも私にとって、絵を描けない無力感が精神に最大の重荷になるかもしれないという事実を、私はその時知った。
その時、風が強く吹いた。風は空の高いところから地面まで吹き荒れた。しかし、地面は風を抱きしめてくれなかった。大地の上に降り注ぐような風は、コンクリートの強烈な拒絶にぶつかり、再び虚空に舞い散った。空と地面、どの場所でも風は落ち着くことができなかった。
しかし私は、そのようにどこまでもさまよう風が、いつか地面を掘り下げることを知っている。冬が終わり、冷たく凶暴な夜が去れば、風は別の世界の上に一粒の種となって根を張らせることを私は信じている。それまでどんな命も風をつかまえることはできないだろう。


原文:奇亨度,詩作メモ(1988.11)
αMプロジェクト2023‒2024|開発の再開発 vol.5
奥村雄樹「我を忘れる身構えの手解きの跡形(我々は数多の知る由もない先行きの面影に湧き立つ)」
参加時に作成
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